摩訶不思議広告、誕生~『勝手に広告』~

そんな風に思っちゃう広告集なのです。今年ももう十一月に差し掛かっちまいましたが、そんな折に、実はひっそりと今年ナンバーワンのイラスト&写真集が出ちゃってたんですね~!メガネ男子でもスーツ男子でもメガネ女子でも蜷川実花の写真集でもありませんよ!

それがこれ、『勝手に広告』です。
元々マガジンハウスの雑誌であるリラックス、そしてカサブルータスで連載されてたんですが、この度ついに本になったわけです。

で、コンセプトとしては色んな商品を勝手に広告しようという、ほんと文字通りのものなんですが、宣伝文句とか企業名といった文字情報がほぼなくて、なんというかその商品を素材にしたアート作品集といった感が強く、アイディアとか面白くてカワイくってとてもよいのです。

牛乳石鹸の箱がそのまま牧場に放牧されていたり、先の削られた鉛筆が無数に立てられて森になっていたり、ヴィッテルのペットボトルがダムになっていたり。コダックのフィルムの箱の満員電車とか、荷台がリッツのトラックとか、グリコのお菓子の箱で出来た街とか、もう実際に見てくれとしか言えないんですが、イラストも写真もなんとも言えずいいのです。これは本当に一家に一冊、いや、一人一冊持っててもいい!間違いなく今年一番のアート本でしょう。
中村至男さんと佐藤雅彦という方が著者。中村さんがイラストを担当しているようです。そして撮影がホンマタカシさん、僕が最も好きな写真家の内の一人です。映画『空中庭園』のポスター写真とか撮ってます。なんというか清浄な空気感のようなものを写真で表現する人ですね。

ヴィッテルがビルの給水塔になってる表紙が目印。立ち読みして気に入って買うべし!

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