存在を懸ける。

カスガイ最終稽古を終え、帰路に就いています。

稽古の終わり際に、ある状態、役が入り込み過ぎる、役に入り込み過ぎる、ある陰の状態に入ってしまって、戻って来れずにいます。

僕ら役者の存在は、舞台の上にしかありません。その瞬間に命を懸けている。

それを否定されないようになんとかしがみついている。否定されたとしても、それでも自分を保っていられるようになんとかやっている。存在を常に、脅かされている。魂を取り出してそれを目の前に晒している。そんな風に思っています。

怖くて仕方がない。今すぐ投げ出して逃げてしまいたい。それでもやめないのはなぜなのか、自分でもよく分かっていない。それでもそこに、僕にしか出来ない何かがあるはずだと思っているのかもしれない。

全ては儚い思い込みで、気が付けば続ける理由を探している。自分のためにはもうとっくに、続けられる限界を越えている。何かの、誰かの、役に立ちたい。何かの、誰かの、ためにありたい。そういう欲と意地なんです。

役に向き合う時、これは僕じゃない、そう分かっていながら、僕の何かを、あるいは全てを、ぶつけてやりたくなる。エゴです。

でももしかしたら、そうでもしないと届かないものもあるのかもしれない。そんなことも思っている。

僕の全てをやり尽くせたら、初めてそこに届くかもしれない。

自分を楽しみにしています。及ぼす影響も及ぼされる影響も。

作品を楽しみにしています。掛け値なしに、皆を愛してます。

関わって下さった方々皆様に、恩を返したい。綺麗事に聞こえるでしょうが、本当にそういう気持ちです。

カスガイ2nd connect 『バイト』、12日からです。行って来ます。

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