どうも、須貝です。お久しぶりです。
もう半年以上更新してませんね…。なんだか、ここで文章を書く気持ちにどうしてもなれなくて。5月に16周年を迎えていたんだけど、世の中はそれどころじゃなかったし。
こういうインドアな生活スタイルがどこまで続くか分からないんですけど、YouTubeかポッドキャストを個人で始めてみようかなと思っていて。たくさんの人に触れてもらえるのが一番いいけど、たとえそうじゃなくても良くて。自分の考えを形にして残していくために。
文章を書くのに疲れた自分と同じく、文章読むのに疲れちゃってる皆さんもいらっしゃると思うから、何もしないで観たり聴いたりするだけのもので、ここで書いてるようなことを話していけたらいいかなと思っています。やんないかもしれないけど。ゆるゆる準備しますね。
1月以降の僕は新国立劇場の劇作家ワークショップが無事に終わったり、『照くん、カミってる!』が無事上演できたり、脚本を務めた映画『明けない夜とリバーサイド』が完成したり、YouTubeでいくつかの映像作品を公開したり、12月の公演の準備をしたり、来年の公演の準備をしたり、なんか細々、なんとか生きてます。そんな中で感じている、ささやかなことを書いていきます。大体いつもささやかなこと書いてる。五十音シリーズもやっとサ行に突入。
○ささやかな怒りについて
・舞台系の事務所って、どうしてメールの返信が遅い所が多いんだろう?舞台系に限った話ではないんだけど。芸能事務所で返信がパリッと早くて丁寧って所、少ないなあと思います。
ここで言う舞台系の事務所って舞台を中心に活動されてる俳優さんが多く所属されている所っていう括りです。自分で公演を企画する時は俳優さんの事務所へオファーのためにご連絡するわけですが、普通に1週間~1ヶ月くらい放置される。こちらとしてもあまり何度も催促すると失礼なので、2週間くらい待って連絡がなければ再度連絡したりするんですが、ひどい所だと2回メールして2回電話して留守電にメッセージも残して、それでも連絡がないなんてことも。これは事務所としての機能が死んでいるんじゃないか?その俳優さんは結局個人あてにご連絡することもできなかったので、オファーを断念しました。残念。
考えられる原因として、
①人手が足りなくて業務が回ってない。
②担当してる方がメールに抵抗がある。古いタイプの方である。
③個人の企画なんでナメてる。もしくは興味ない。
④迷惑メールになってる。
①はしょうがないけど頑張ってほしい。②はメールしたらそれに対する返信一切なく電話が急に掛かって来ることが多くて、それはまあ別にいいんだけど、ちょっと抵抗がある。個人的に。知ってる方から掛かって来るならまだしも、知らない番号だからさ。出るけど。メールで何時頃大丈夫ですか?って聞いてほしい。
僕もメールで話すことと電話で話すことと直に会って話すことは分けてるんです。例えばお金の話は礼儀として極力会ってしたい。もしくはちゃんとメールで送って文面に残す。電話で話すことってふんわりしてるから、ちゃんと文章で残したいんですよね。ギャラの金額とか後で平気で忘れたフリして上げてくる人もいるし。でもなんかこれは、そういうことじゃない気がするんだよな。
③に関しては僕が有名じゃなくて権力がないから仕方ない。僕が悪い。面白そう、おいしそう!って思わせられない技術不足でもある。でも、例えば百貨店で10万円の買い物する客と1万円の買い物する客を明確に差別してるってことだから、あんまりいい気持ちはしない(いや、もしかしたら誰に対してもそうなのかも。そんなことあるかな)。これが100円なら差別が多少あってもいいけど(客商売やってる方的には絶対NGでしょうけど)。仕方ないし分かるんだけど、そこは上手に嘘つけよ、と。俺はそういうの絶対忘れないから。そういう時は「10年後に見返してやる」と思うんです。けど、10年後にそういう人たちが残っていなかったりするから、見返す対象が既にいないなんてこともこの業界ではざらかもしれない。3年後くらいには見返さないとね。
スケジュール分からないんでちょっと待ってね!って一言くれるだけでいいんですけどね。コロナ禍でスケジュール狂いまくってるのはこちらも分かっているので、言ってもらえればいいだけなのに。分かんないから他の人探してくださいって言ってくれてもいいしさ。
・演劇界からパワハラやセクハラをする演出家がなかなか減っていかないのが残念過ぎる。駆逐したい。俳優にも多いですけど。
もうね、名前も挙がってるんですよ。有名なんです。俳優を何人も降板させたり辞めさせたりしてるんです。その方の公演履歴追えば分かっちゃうんだから。その人の公演ではなぜか「体調不良で降板」がやたら多いって(全てが全てハラスメントが原因ではないだろうが)。俳優を自死に追い込んでいる人もいて、そういう犯罪者ものうのうと生きてるんです。劇団会議でセクハラ問題が議題になるような方もいるんです。全員名前分かってるんですよ。
ブラック企業ランキングみたいに、演出家とか俳優とか、ヤバい人の名前が出せればいいんですけどね。彼らに対して是正勧告を出せるチェック機関がないんです。俳優は誰にも守られていない。自分が強くあることばかりが求められる。どう考えてもおかしいです。
なぜ減らないかといえば、被害者が泣き寝入りすることが多いからだと思います。仕事と違って雇用契約を結ばないことが多いし、被害に遭った俳優が俳優自体を辞めちゃえばもう犯人を弾劾する人がいなくなっちゃうから。労働基準監督署も介入できないし。
彼らは俳優を舐めてんですよ。何やっても自分が矢面に立つことはないと思ってるんですよ。ムカつきます。
今まで一体何人の才能ある方々がこの業界に見切りをつけて辞めていき、いかに無能なお山の大将がこの業界に巣食っているのか。目の前が真っ暗になる。それでも前を向いて闘っていかねばならない。今の僕のやりやすさを生んでくれた先輩もいるわけで。僕も後輩に少しでも楽に歩いてもらうためのことをしていかなきゃいけない。
・オリンピックは観ないようにしてました。ニュースで目にしちゃうとかは別で。選手は本当に頑張っていると思うし、偉いし、尊敬する。酷暑の中で闘わされて。でも僕にはどうしても納得ができなかった。許せなかった。その経緯に疑問があるものを、内容が素晴らしいからといって受け入れることは僕にはできなかった。もう今後日本では一切オリンピックの誘致をしないでほしい。
僕は、何年か前からオリンピックを観なくなりました。選手が必要以上のプレッシャーに晒されていると感じ、観ていて楽しくなくなってしまった。サッカーのワールドカップも同じく。開催地に名乗りを上げる都市の様子を見ていて、興醒めするようになってしまった。そこには経済効果の算盤勘定が見え隠れして、何が平和の祭典かと疑問が多くなってしまった。
最後に心から感動してオリンピックを観たのはいつだったろうかと思い出します。それは98年長野オリンピック、フィギュアスケートで銅メダルを獲ったフランスのフィリップ・キャンデロロ選手の演技だったと思う。僕と同世代の方は覚えてるんじゃないかな。ダルタニアンをやってたんですよ。その時金メダルを獲った演技も銀メダルを獲った演技も覚えてないんだけど、これは今でも鮮明に覚えている。YouTubeで改めて観てみました(便利ですね)。とにかく楽しそうなんですよ。今回見直して思い出したんだけど、アンコールでの演技の方をより鮮明に覚えていた。
楽しそうな人を見ているのは楽しい。逆もまた然り。でもこの、楽しむということの難しさは、道を究めんとする人にしか分からない。その上で楽しむ人を見ているのは楽しい。
・でも、会場近くでデモ行進してる人の気持ちは分からないな。選手に聞こえるように。行くなら首相官邸とか国会議事堂とか都庁とかそっちだろ。出場を辞退しろと選手のアカウントあてにツイートした人の知性も疑う。全力で疑います。
○ささやかな幸せについて。
・去年10月に引っ越しまして。新しいマンションの他のお部屋にはお子さんがいらっしゃるご家庭が多く、毎朝子供たちの笑い声やら大声やら泣き声やら遊ぶ声やらで目を覚ます。ベランダで洗濯をしていると、隣のマンションとこちらの間の中庭のようになっているスペースで遊ぶ姉妹を見掛ける。さらに少し向こうには、お庭の芝生が素敵なお家の、銀髪に小柄で細身、矍鑠としたおばあさんが毎日庭の手入れをしているのが見える。
なんというか、自分は5人兄弟なんですけど、大きな家にたくさんの家族で住んでいるような感覚になって、なんだか懐かしい感じがします。
・岐阜の小学生(よりもちっちゃい子もいる)のために脚本を書きました。宮沢賢治の『注文の多い料理店』です。元ホチキスで箱庭円舞曲、monophonic orchestraでたくさんご一緒した仲間、船戸直子が立ち上げたプロジェクトに協力させていただいております。詳しくは下記からインスタチェックしてみてください。
https://www.instagram.com/ec.konpeito/
11月3日に公演をやるんです。楽しみだなあ。齋藤陽介の母校に演劇教えに行ったり、何かと岐阜に縁があります。
なんか、この先僕がどんだけ売れたとして、それだけじゃなくありたいというか、小学生とも演劇やりたいし、シアターコクーンでも新国立劇場でもパルコ劇場でもやりたいし、社会人劇団の方とかとご一緒してみたいし、全国公開する映画撮りたいし、高校生と創る演劇みたいなこともまたやりたいし、小説書きたいし、仕事の振れ幅どうなってんの?って人になりたい。自分にとってちゃんと意味のあることを選び続けたいし、どんな仕事にも企画にも意味をちゃんと見出せる人間でありたい。
少なくとも今僕は、ジャニーズとも小学生とも仕事する男。
・物欲が止まらない。ヤバい。スピーカー買ったり自転車買ったりパーカー買ったり、ヤバい。
○ささやかな解決を積み重ねていくということ。
大体僕らはいつも
すれ違っているわけだが
ひとつの言葉を交わすことや
少しだけ目線を合わせることや
軽く肩に手を置いたりする
そういうことをおろそかにして
大体僕らはいつも
すれ違っているわけだが
大きな問題に目を向けて
小さい問題が目に入らず
そういうことをおろそかにして
大体僕らはいつも
間違えてしまうわけだが
この速くおそろしく流れていく世界の中で
立ち止まる勇気をもって
ささやかな解決を積み重ねて
誰も思いもしなかった遠くへ行こう
今まで誰も思いもしなかった遠くへ
すれ違い続ける僕らみんなで
ささやかな解決を積み重ねて
おはようのひとつや
ウィンクのひとつや
ぬくもりのひとつや
そういうことをおろそかにしないで
ささやかな
本当にささやかな
誰も気にしないささやかな
そういう解決を積み重ねて
行こうよ
行こうよ
誰も思いもしなかった遠くへ