どうも、須貝です。
今日は夜の公演のみなので、少しゆっくりした朝です。本当はもっと寝ていたかったのですが、いつも九時くらいに起きているせいで目が覚めてしまいました。
ここでも前に書いたことがあると思いますが、寒い冬の雨を見ると、大学の入学試験を受けに東京へ来た時のことを思い出します。新幹線の窓に降り来る雪が段々雨に変わって打ち付けて、兄と待ち合わせた高田馬場は冷たい風に吹かれる灰色の街でした。今では学生のうるさい汚い街というイメージですが。
どうもその辺の記憶が曖昧で、色々間違いもあるような気がするのですが、東京の雨には心細いイメージがあります。
逆に上京して来て今の家に初めて来た時は、春のとても暖かい日だったので、今でも春になるとその時のことを不意に思い出します。もう六年も前なんですね。
住む場所を変える、ということはそれ自体大きな変化ですが、田舎の人間にとっては東京という場所に来るということはまた別の意味がある気がします。昔ほどその意味は大きくないかもしれませんが。来ようと思えばどこからだってわりと簡単に来れるようになりましたし。それでもやっぱり大きいことだと思います。
今の自分の生活というやつは、ここにやって来てから少しずつ紡いで積み上げた、そういう人間関係に支えられていて、それがここ六年くらいの内に出来上がったもので、自分が地元で十八年間の内に築いた人間関係とはまた全く別の物で、それがとても面白い気がします。
大切にしたい人がたくさん増えて、そのせいで自分は、一人でも生きていける、結局最後は自分にしか頼れないと思っていたけど、その頃の自分と今の自分が違うとはっきり感じていて、変わらない部分もあるんだけど、変わったことは別に嫌ではない。そんなことを取り留めもなく最近考えます。
お金だったり実績だったり仕事だったり、名声だったり評判だったりそういったものが自分にとっては非常に大切で、貪欲になっている部分はあり、それは決して悪くないし自然な欲求だと思っています。
人間関係というのはそういうものと重なり合ったり重なり合わなかったりだと思うんですが、重なり合わないからといってそれが大切ではないかというとそうではない。
その重なり合わない部分が、自分を人間的に豊かにするような気がします。
雨のせいでセンチメンタルになった心がこんなことを言わせています。いつも大体振り返って恥ずかしくなるんだよな。
よし、今日も本番頑張ろう!