生きることにもっと意識的にならねば…!
それは危機感にも近い啓示です。最近よく思うんですよね~。
いかに毎日の生活の中で、たくさんのことを見過ごして生きているか。気付いたり追求したりすれば、生きることが楽しくはならなくても、やめてしまおうとは思わないような、なんで俺は八十年ぽっちしか生きられないんだ!と怒りを覚えるような。
そんなことって結構あると思うんですよね。
日常に意識的になろうと思って始めたブログですが、今回は特にデザインという観点から考えてみたいと思います。…まぁあまり深い意味はありませんが。
さて、今回取り上げるのは「日本点字図書館」。昭和十五年、本間一夫により、日本盲人図書館として創立されました。現在は新宿区高田馬場にございまして(本当に駅の近く、諏訪通りへと抜ける裏通りに面しています)、早稲田生であれば見たことあるんじゃないかな?といった感じです。日本美容専門学校が近くにあるので、彼らにとってはより親しみ深いでしょう。
何をもってこの図書館を取り上げたか。それは外観の奇抜さ。
基本的には鉄筋コンクリート建てなのですが、なんと、そのビルの側面には、なぜかチェーンが…壁面に垂直に銀色のチェーンが垂らしてあるのです。しかも等間隔で。(写真では少々分かりにくいと思いますが…)
なぜこんな変わったデザインなのか!?
皆さんは点字の本って見たことありますか?それこそ点がびっしりと並んでいて、素人の私たちには何が何やらさっぱりです。
この建物、少し離れて見てみると、並んだチェーンがまさに点字の本のページのように見えるのです。これはあくまで予想なんですが、このチェーンはそのまさに点字を模しているのではないでしょうか。
目の見えない人のための施設で、視覚的なイメージを大切にしているというのは、その姿勢からして尊敬できます。目が見えない人のためにも、そして彼らを取り巻く人のためにも、その前を通る通行人のためにも、デザインはあるわけですね。
視力のある私たちにとっては縁のない場所ですが、そうやって目を向けてみるととても親しみが湧いて来る気がします。それが製作者の意図だったのでしょうか。
この図書館、点字図書の貸し出しはもちろん、リーディングや点字プリントアウト(点字でプリントアウトしてくれるプリンタがあるそうです)、点字図書の製作までしちゃってるそうで、音声の録音など、かなり個人的な要望にも応えてくれるようです。高田馬場に盲目の方が多い理由が分かりました。こりゃ来ますわ。
別に観光名所じゃないんですが、東京の好きなところって、生活に密着した所に、案外素敵なデザインがあるってところなんですよね。これからもそういったデザインを発掘していきたいと思います。