暇だし、月末だし、もう一個くらいいいんじゃないの？

…台本書けよって話です。

時々言われるんですが、僕のブログ、「須貝英」で検索しても、「イングリッシュ商店」で検索しても全くヒットしないらしく、名前のほうで検索すると東京ネジの公演情報か、元所属していたてあとろ50’か、同じ苗字の競馬騎手でしか出てきません。ブログ名のほうも、英語教室のページか、何とか商店の情報とかしか出ません（試してみてください。きっと不毛でしょう）。

このままでは僕のささやかな記録が、本当にささやかなまま終わってしまいます。そこで僕は最後の手段に出ることにしました。

それは…実は僕と妻夫木君が親友であるということを告白します！

…いえ、違います。でも彼の名前を出せばいいかと思って。本当にごめんなさい。「春の雪」に乗じようと思ったんです。

でも実際友達だったら僕のブログもバンバンアクセスがあることでしょう（卑屈）。
文章の書き出しも、「昨日ブッキーが…」や、「聡と朝まで飲んだ」などとなり、「春の雪」効果でバカなファンがほいほい喰いつくことでしょう（失礼）。
そして「徹子の部屋」などに出演したブッキーが、「最近はまってるブログがあって…」などとうそぶけば、出版業界からも声がかかる可能性が大です（なぜなら徹子は出版業界に太いパイプを持っているから）。そして眞鍋かをりのように、ブログ本を出して印税生活突入となる…ハリウッド並みのサクセスストーリーです（余談ですが、知り合いが昔、サクセスストーリーをセックスストーリーと本気で間違えていた）。

まぁやいのやいのゆうとりますけど、芸能人とお友達って甘美な響きがありますよね。自分もいつかそっちで…とか目論んでいる人間のセリフじゃありませんが、芸能人になったからって芸能人誰とでも友達になるわけじゃあないんですから、そりゃすごいことでしょう（田舎のおばちゃんとかだとよくこんな発想ですよね。東京にいれば有名人と会えるわけではありません）。テレフォンショッキングのお友達紹介だって、果たして本当に友達なのかどうか、分かったもんじゃありません。利権やら金やらが黒く渦巻く芸能界ですからね。もちろんバックには例外なく暴力団がいます（偏見）。

○俺とブッキーの友情物語

・出会い編～ウォーターボーイズ～

ある夏の暑い日、プールの掃除のアルバイトをしていた俺。

「くっそー、暑いなぁ…プーケットよりも暑いよ！…知らないけどね！」

その頃俺は初めての海外旅行のために資金を稼いでいた。掃除も終わり、プールに水を張り始めた俺。今日はお盆の真っ只中、しかも平日、客なんか来ないと踏んで、相当遅刻してしまった。…かといって焦るわけでもなく、悠然と快楽天（エロ漫画）を読みながら寛ぐ俺。そこへやってきたのが、当時21歳のブッキーだった。

「ありゃあ、マズッたなぁ、まだ水入ってないのか！どうするばってん…」

福岡出身ということあって、やはり普段は福岡弁が出るようだ。

「オーイ、お兄さん、水まだ入らないの？」

読書（快楽天）を邪魔され少々不機嫌になる俺。

「今入れ始めたばっかりだよ。あんちゃん、お盆にプールなんか入りに来ちゃだめだよ！ご先祖様が黄泉がえりだよ！」

ここぞとばかりに竹内結子にもあやかろうとする俺（春の雪）。当時公開すらされていなかった「黄泉がえり」を謎の文脈で使用する。

「うるせーい！営業中ってあるから来たんじゃねーか！オイドーン（掛け声）！」

ブッキーの強烈な右ストレートが俺の顎にヒットした。吹っ飛ぶ俺、プールの水は俺を受け入れるほどには溜まっておらず、後頭部からモロに落ちる。水にふやける快楽天。

「ス、すまねぇ、ついカッとなっちまって…俺、妻夫木、妻夫木聡。テレビなんかで見るだろ？今日は映画のために水泳の練習に来たんだ。よろしくな！」

これまたよく分からないタイミングで自己紹介するブッキー。

「よ、よろしくナリ…」

朦朧とした意識の中で、答える俺。これが俺とブッキーとの出会いだった。手を優しく差し伸べるブッキー。しかし真っ先に救い出したのは快楽天だった。
（結局、俺は全治三ヶ月の怪我を負い、ブッキーはなぜか膝を疲労骨折していた）

・対立編～ジョゼと虎と魚たち～

俳優としての仕事が完全に軌道に乗ったブッキー。しかし一方の俺は芽が出ず、アルバイトまみれの悶々とした生活を送っていた。

「いやぁ、今日も撮影大変だったよ～！さすがに主演ともなると拘束時間が長いなぁ。ん、ビールがうまい！（こんなに嫌味ではない）」
「何しに来たんだよ、また自慢しに来たのか？」
「え？違うよ。映画祭でまた最優秀主演男優賞取っちゃってさぁ。もう家にトロフィー置く場所ないから、置かせてくれない？」
「それが自慢だっつーの！お前んちは広いんだから場所なんかいくらでもあるだろうが」
「でも最近犬飼い始めちゃってさぁ、いたずらされると困るから。この犬小屋…おっと、この部屋に置いてやろうって言ってんじゃん」
「貴様！今犬小屋って言ったな！お前最近売れてるからって調子に乗ってんじゃねーよ！」

そう俺が言い放つと、とたんにブッキーは顔を真っ赤にして怒り出した。

「うぬぅ、この…ワナワナ…バカチンがぁ！オイドーン（定番の掛け声）！」

ブッキーの左右のコンビネーションが確実に俺のボディーの急所を捉える。ガラスを突き破って吹っ飛ぶ俺。地上三階から一気に地面に叩きつけられた。

「ス、すまん、ついカッとなって…許してくれ！今度の映画の試写会に招待するから！」

かなりコスい慰謝料を提案するブッキー。それでもその日暮しだった俺は心を動かされた。

「あ、相手は…ひ、ヒロインは、誰…？」
「池脇千鶴だよ！」
「誰が行くかーい！…ガクッ！」

結局俺は半年ほど入院し、試写会にも行くことはできなかった。

・友情、そして…編～春の雪～

念願の試写会に招待してもらえることになった俺。その頃俺は、ブッキーの付き人として、かなり安定した生活を送っていた（すでに友情かどうかは謎）。

「今度の試写会、お前のために一番いい席を用意したぜ。ゆうこ（竹内結子）もすぐ近くで見れるはずさ」
「ほ、ホントすか？うれしいなぁ！どこすか？」
「ふふん、舞台袖だよ！」
「わ、わーい、やったー…って、ライブじゃあるまいし、スクリーン見えないじゃないですか！」

とたんに鬼のような形相
に変化するブッキー。

「このドアホがー！オイドーン（相変わらず得意の掛け声）！」
「ギャー！！」

ブッキーの殺人パンチが俺の顎に炸裂し、首が曲がってはいけない方向へ。ついでに出てはいけない汁も出放題だ。

「ブ、ブシュー、だめや、もうワイは死ぬんや…」

あまりのショックで関西弁になる俺。そんな俺を、ブッキーは優しく抱きしめた。

「ばか、大袈裟なこと言うなよ！俺には、お前がまだまだ必要なんだから！」
「ブ、ブッキー…」

しばし感動に浸る俺たち。

「じゃ、分かったら東スポ買ってきて」
「はい」

しかし主従関係は変わらなかった。

「春の雪」、全国東宝洋画系にて大ヒット公開中！！