間違えるということ。

間違えることが何よりも嫌いです。いや、嫌いというか、怖いですね。

間違えた分だけ成長するとかよく言われます。よく分かるんですが、それはあくまで更なる高みを目指す過程で生じる間違いや失敗の話で、僕はよく「なんでそんな間違いするわけ?」といったような間抜けな失敗をするのです。

同じ失敗を繰り返すことはあまりないんですが、気が抜けるというか、集中力が切れるというか、気持ちにムラがあるというか。本当に腹が立ちます。

音響やら役者やらをやっていますが、オペレーションのミス、セリフの間違いなんかしょっちゅうで、その度に芝居から身を遠ざけてしまいたくなる始末。なにせ僕がやっていることに関してはミスがお金を払って観劇するお客さんに喧伝されるわけですからね、本当に恥です。それとも単に見栄っ張りなんですかね~。

終わってから、ああすればよかったこうすればよかった、あんなこと言わなきゃよかったしなきゃよかった、もっと頑張ってればよかった、昔からそんな後悔ばかりです。人間が大きくなれば、小さいことにくよくよせずにやり過ごすことが出来るのでしょうか。少なくともあと十年はそんな境地の片鱗すら、垣間見ることは出来そうにありません。

で、す、が、所詮小さい人間ですから、失敗すまいと思えばその分身構えて縮こまってしまいます。悪循環。失敗しても周りにフォローしてくれる人がたくさんいる内は気にしないでいてみようかな、とも思ったりします。
それに甘えて努力を怠る事が一番よくないとは思うのですが、僕は本当に人に恵まれていると自分でも思うので、社会に出てからうまくやっていけないんじゃないかと本当に心配なのです。

話は少々変わって、先日第八十八回全国高校野球選手権大会決勝で対決した二人の投手、優勝した早実の斉藤君、敗れた駒苫の田中君、自分よりも年若いのにあれだけの精神力を持っていることに本当に驚きました。

決して揺らぐことのない強い意思を内に秘めた斉藤君、刺すような闘志を剥き出しにして真っ向勝負の田中君、特に斉藤君のピッチングには感動して思わず手を握りしめ、涙が出そうになったのでした。そして思うこと、果たして彼らに悔いはあるのだろうか、ということです。延長、再試合、二度目の決勝戦でも譲らぬ勝負、どちらも崩れることのない名勝負でした。これで悔いが残るなんて言ったら世間のプラプラボーイズアンドガールズに恨まれそうだと思いましたが、試合後の二人の表情を見て、本当に羨ましい、しかしあれは彼らの努力が報われた結果なんだよなぁとつくづく思ったのでした。きっと反省はあっても悔いはないんだろうなぁ。

一生のうちに、振り返ってみて悔いの残らないことなんて、数えるくらいしかないのかもしれません。

何にしても、頑張らなきゃなぁと高校球児たちの熱闘を見て俄かに焦る八月です。

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