演劇というお仕事。

どうも、須貝です。

他の職種に比べて、演劇というやつは出会いの頻度がとても多い気がします。
そして、共に過ごす期間が短期間なのにその濃さが尋常じゃないという、そういう特性を持っているようです。

最近はそういう、仲間の輪みたいなものがどんどん広がっていって、その舞台が終わった後でも、その人がどこそこで頑張っているだとか、あれそれに出演しているだとか、遠くで頑張るアイツらに励まされているぜ、みたいな感じを抱くことがすごく多くて、いいなぁなんて思ったり。

この感じは、他の何かにちょっと例えようがなくて、長期間会っていなかったとしても、すぐに色濃く過ごした頃に戻れるような、簡単に言うと変な関係なのです。

僕はかなりの飽き性で、凝り性ではありますが、一つのことがあまり長く続いたことがなく、何度かここでも書いていますが、27年生きてきて続いているのが書くことと演ずることの2つだけ、向いているかどうかではなく、もうこれしか続けて来られなかったのです。向いてはいないかもしれないけど、合ってはいたのかもしれません。

だからこの、短期間に濃縮してギュッと作る、という作業の繰り返しが心地良いらしく、劇団に入って少し変わりましたが、気は楽なのかもしれません。作って捨てて作って捨てて、擦り切れるほど磨いて鋭くしていく。その中で残る自分を、返ってくる自分を、大事にしています。

何が言いたいかといいますと、関係が繋がっていくことに対し、身動きが取れにくくなったと感ずるか、仲間が増えて輪が広がったと感ずるかの違いって、きっと自分の状態でしかないんだろうなということで、今僕は後者を強く感じているんだろうな、ということで。
少し前まではやはり、前者の方が気持ちとして凄く強かった。身軽でいることを最上に考えていた。仕事だけをきっちりこなして、あまり馴れ合わない。そういう感じ。今はなんというか、他人の人生に関わってみたいという気持ちがとても強い。です。

まー実際別に誰かに深く関わっている訳でもないけど。奥さんや子供や恋人がいるわけでもないし。
とりあえずプライベートは置いといて、仕事の上では、段々一つ一つの現場で、より深く関われるようになってきている気がする。多分、良いことなんじゃないかなーと思っています。

バランスを取ることは重要ですけど。

なーんかこの、狭くはない東京という日本の真ん中の土地で、方々に味方がいるというのは、これは、きっと多分普段忘れているけど、凄いことなんだと思いますよ。だからきっと、ちょいちょい感動してもいいんだと思いますよ。月をふと見上げるみたいに誰かのことを思い出したりね、あいつ元気かなーなんて思ってあげたりね。別の誰かに自分も思われているかもね。

僕の話ばかりで恐縮ですが、多分、この仕事を選んで良かったんだろうなーって、今は思います。

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