そういえばの原点。

どーもどーもの須貝です。今週いっぱい天気の方は愚図つくそうですが、せっかくの桜も散っちゃいましたね。残念。

さて私、本を読むのがとても好きでして、このブログでも何度か面白いと思ったものを紹介してきましたが、我が読書人生の原点となった作品、それはシャーロック・ホームズであります。なので今回はちょっとその話を。

元々うちの兄が小学校で借りてきた子供向けに読みやすく書かれた本、確かポプラ文庫かなんかだったと思うんですが、それで読んだんですね。子供心に非常に印象的で、読書というものに嵌まり込むきっかけになった気がします。

で、その後こっちに来て突然読みたくなり、新潮文庫で揃えましたよ。長編ももちろん面白いんですが、やっぱり短編が断然面白いんですよね。そこで好きなお話トップテン!!

○私の好きなホームズ。
(タイトルは訳者によって多少違うことと思いますが、一応新潮社版で)

1.まだらの紐

→これはですね、昔子供向けのクイズ本か何かに推理クイズとして漫画が載っていたんですね。そいつのラストにロイロット博士が自分の放った蛇に噛まれて死んでいる絵が載っていたんです。それがトラウマになるくらいの恐怖で、それ以来まだらの紐は怖いイメージしかなくて読んでいなかったんですが、改めて読んだらこれがまた面白い。

→死んだ姉が残した「まだらの紐」という言葉の意味がそのまま殺害方法に繋がっていて、というのが面白いですね。動物を使った犯罪というのが、ポーの「モルグ街の殺人」に影響されているらしいんですが、やっぱり怪しさというかラストの衝撃なんかも含めて傑作と言えるでしょう。

2.白銀号事件

→これは競走馬、「白銀号」を取り戻した後のホームズの心にくい演出がいいですな。これも実は馬が犯人という、動物が犯人譚。全くの偶然でした。

3.黄色い顔

→こういう家族とか人間の愛情のもつれとかの物語に秀作が多い気がします。そこに怪しげな雰囲気も相まって、独特の幽玄さのようなものを感じます。論理的なはずの探偵小説なんですけどね。

4.赤髪組合

→他にも赤毛連合などなどの名で呼ばれますが、その発想がアホらしいのに立派な犯罪小説。

5.アベ農園

→緻密な推理が冴え渡ってます。まぁどの編もそうですが。

6.金縁の鼻眼鏡

→眼鏡一個から色々推理し過ぎ。超人です。

7.覆面の下宿人

→人情物がいいんですよね。最後の数文に、ホームズの人柄とイギリス人的高潔さのようなものを感じます。

8.サセックスの吸血鬼

→これも不気味かつ驚くべき結末。子供って残酷です。

9.技師の親指

→親指が無くなるって超痛いですよ、きっと。

10.グロリア・スコット号

→これはホームズが探偵を志すきっかけとなった事件。あなた、そんなに若いのに聡明過ぎ。他にも若き日の事件としては「マスグレーブ家の儀式」がありますが、これはワトスンと出会う前の事件ですね。

他にも「六つのナポレオン」や「オレンジの種五つ」、「プライオリ学校」、「悪魔の足」、「ボール箱」、「踊る人形」、「花婿失踪事件」、「唇の捩れた男」、「スリークォーターの失踪」、変わったものではホームズ自らが記述している「ライオンのたてがみ」なんてのもありますが、挙げていくとキリがない…

「青いガーネット」、「最後の挨拶」、「三人ガリデブ」、「高名な依頼人」、「入院患者」、「ギリシャ語通訳」…ダメだ、本当にキリがない…。やめときます。

ホームズ物語の魅力はやっぱりホームズが奇人であること。麻薬常習者だし。ヴァイオリンと化学実験と煙草と拳闘、女性に興味がないが、彼は立派な紳士。彼自身はあくまで沈着冷静で時に冷徹ですが、実は人情者です。

さらに悲しい人間の性のようなものを描いているのもいいですね。僕なんかは話の内容がごっちゃになったりもしてますが、まあそれはそれで。

ホームズ物語は矛盾やおかしな点が無数にあるんですが、筆者のドイルは決して直さなかったそうで。その潔さもいいですね。普通怖くて出来ないよ。

いかん、また全部読み直したくなってきた…。

Previously