あの子らは将来。


どうも、須貝です。

今日、日本舞踊の発表会のお手伝いに参りまして、舞踊の舞台に関わるのは初めてだったんですが、面白かったです。

大人たちに交じって五、六歳の子供たちも立派に舞っておりまして、こんなちっさい子もいるんだとびっくりしました。

で、彼女らが舞台の袖できちんと正座して神妙な顔をして舞を見つめているのを見ていたら、何となく、この子らは何年か後に、この時のことをどう思い出すのだろうかなんてことを考えてしまいました。

僕は保育園に行っていたんですが、そこでもお遊戯のようなものがあったんですね。獅子舞の面かなんかを頭にして、白いシャツに黒い半ズボン、確か冬だったんで寒くって、思い切りくしゃみしたら鼻出ちゃって、そいつをシャツの袖で拭ったらみっともないって怒られたのを覚えています。

その時のことはそれしか覚えていなくて、自分がどんなお遊戯をしたかなんてことは全く記憶がないんです。
でも案外そういうものなのかもしれないですね。彼女たちも舞よりも、どんな着物を着ただとかどんな物を食べただとか、そんなことの方を覚えているものかもしれません。

思い返してみれば、自分が舞台に立った記憶というものは、一つもはっきりとした記憶として残ってはいない気がします。ただ、強く照りつける舞台照明や、共演者の姿、お客さんの反応や音楽といった物が印象として強く焼き付くように体に染み付いているような、そんな気がします。

そんなことを考えてみて再び、彼女らは十年後、二十年後にどんな風に思い出すんでしょうね。

いい風に記憶してくれていたらいいんですが。

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