フランス旅行記・その2


どうも、須貝です。

いよいよ出発の朝、集団旅行ということもあり、大事を取って飛行機の出発の三時間前に成田に集合。と、言いつつ、結局皆大体同じ時間帯の電車を狙ってくるため、新宿駅でプチ集合。

ここで、今回この旅行のチケットの手続きやら、向こうとの連絡やら、僕らが旅行に行くために必要なこと全てをやってくれた超大恩人、柿喰う客制作の田中沙織さんとも合流。自分の本番も差し迫っている非常に忙しい時期なのに、本当に感謝です。

成田に到着して全員集合、徐々に渡仏へ向けてテンションが上がって行きます。成田広し!僕が好きなアーティスト、山口晃さんの作品も発見してさらにテンションアップ!田中さんから旅行のしおりをもらい、今回の旅の説明を受けます(遠足気分)。その後、皆で揃って搭乗手続きへ。イヤッホーイ!

が、皆わりとスムーズに発券を済ませる中、たけさんこと本郷剛史さん(本名)のチケットがなかなか発券されず(事前にチケットを予約してあって、パスポートを見せると実際に搭乗出来る、というシステム)。なぜ?メンバーに動揺が走ります。
たけさんのパスポートはカンボジアやタイなど色々旅行していて、出国・入国のスタンプがたくさん押してある格好いいパスポート。僕ら初海外組の真っ白なパスポートと違って羨ましく思っていたのですが、何か以前の渡航で問題があったのか!?楽しくなっちゃってアンコール=ワットにい過ぎて、日本に帰って来た時に怒られたエピソードが向こうにも情報として渡っているのか(実話)!?危険人物として登録されていて、フランス側から拒否されているのか(そういう国際的なシステムはよく分からないが)!?外見がチェ・ゲバラに似ているからか(実際そっくり)!?うきうきのヨーロッパを前にたけさん強制送還か(まだ国内)!?

…なんて心配をしていましたが、単純に混んでて席が見つからなかっただけみたいで。その後に手続きした僕らも充分待たされました。意外とこの時期に渡航する人多いんですかね?ちなみに僕は飛行機乗る直前にホワイトボードみたいな奴に自分の名前が書いてあって、「なんだ、ここへ来て俺も渡航拒否か!?」とチキンにビビッたりしていたんですが、席が変更になるというただそれだけでした。良かった良かった。

そんなこんなで全員無事出発。田中さんとはここでお別れです。行って来まーす!

飛行機には大体十二時間くらい乗る予定でいまして、その間何やってればいいんだろうと思ってたんですが、映画が観られたりするんですね~。本当は時差ボケ対策のために寝て行った方がいいって言われたんですけど、映画好きなもんで、三本くらい映画を観てしまいました。
後は時々無駄にトイレに行ってエコノミー症候群対策。機内では皆やっているんだろうかと思っていたんですけど、誰もやってませんでしたね。

で、混み合っていた関係で今回の渡仏メンバーはそれぞれ皆バラバラの席に。僕の隣は母親と子供とおばあちゃんの三人組が。それ自体はもちろん問題ないんですけど、その子供がうるさいのなんのって。

基本僕は映画を観たり音楽を聴いたりしていたんで気にならなかったんですが、イヤホンを外してみると、うるさい。

「お母さん、帰ったらポケモン観ていい!?」

観たらええがな。

「でも帰ったら遅くなるから…」
「え、でもさぁあ、向こう帰っても七時くらいでしょ?あ、でも時差とか計算するとどうなるのかなぁあ?そんなに遅くないよね、お母さん。ねぇえ、お母さん!」

自分で計算したらええがな。

「お母さん、ねぇえ、なんで泣いてるの、お母さん、お母さん!」

うるっせぇな!!お母さんは今『象の背中』観てるんだよ!!しかも今いいシーンなんだよ!!コウジ(役所広司氏)とミッキー(今井美樹氏)が砂浜でいいシーンやってんでしょうが!!子供がまだ食べてる途中でしょうが(富良野)!!

…さすがの僕も激怒。この悪童めを高度三万フィートから地面に叩き付けてやろうかと決意したんですが、花の都パリを前に自らをなだめます。

「おい子供、お母さんは号泣しているが、お兄さんだって心の中で泣いているんだよ、こっちは悔し涙だけどね…」

日本全国のクソ生意気なガキすらも愛したいと思う、そんな二十三歳の偽物の慈愛でした。

…なんて妄想してたらシャルル=ド=ゴール着いちゃったよ!あ~、景色も楽しんでね~!!うゎはーん(号泣)!!

~つづく~

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