夜雨さん。


どうも、須貝です。

今、パソコンに向かい合って、僕のブログとしては珍しくライブ感たっぷりにお伝えしますが、雨が降っていますね。

…それだけなんですが、つまり何が言いたいかといいますと、僕はどうやら、夜に降る雨というやつが好きらしい、ということです。

陽が落ちて、一寸先とまでは言わないまでも、三寸くらい先までは完全な闇の世界、そんな時に目の前にする海の音。四方から包み込むように聞こえてきて、どうしようもなく不安な気持ちになります。僕はそれがとても好きで、夜の鎌倉の海岸沿いで、時間を忘れて聞いていたものでした(なんてね)。

夜の雨、というやつが、どうも同じような心の昂揚を起こさせるらしく、胸が小さくざわめいて、落ち着かないような、それでいてこのまま眠ってしまっていいような、変な快感もあるというか。とにかく、好きです。

夜の雨になぜか懐かしさも感じて、それがどうしてだろうと考えた時に、僕は、かなりの雨男なんですけど、行事ごとがある前夜にはよく雨が降って(当日もやっぱり降っているんですけど)、「ああ、またか。何とかして晴れてくれないかな。グラウンドは大丈夫かな?」なんてことをよく考えていたもんで、その一つ一つの経験がハラハラとした気持ちと一緒に強い記憶となっているらしく、そのために夜の雨は、僕にとっては懐かしいらしいです。

懐かしい、というよりも、パブロフの犬みたいに、ハラハラするように刻み付けられているのでしょうか。

『羅生門』の冒頭で雨止みを待っている下人の姿に、なぜか親近感を覚えたのは、あれは或いは下人にではなくて、雨に、だったのかもしれません。

とにかく、どこか少し狂おしくなるのですね、こんな夜には。

関東も遂に梅雨入りしましたね。きっとその内、「雨なんか嫌だ」とここでも言い始めるのでしょうが、そうなる前に、雨が好きだってことをちょっとだけでも言っておこうかなと思ったのでした。

Previously