豊かさ、上品さ、ものの価値。


どうも、須貝です。

最近よく豊かさについて考える。ここでも時々「豊かであるとはなんぞや?」といったことに文章が及ぶことがあるが、豊かって、よく言われることだけど一律じゃない。

お金があることも豊かであることの一つ。お金ほしー。お金があれば素敵だ。したいこと大抵出来るぞ。

美しく生きることも豊か。慎ましくも例えば、自然に囲まれていたり時間に余裕のある仕事をしていたり、何かを強く求めてあくせくすることのない生き方だったり。自分の身の回りには自分が一番好きな物たちを置いて、一番好きな人たちとだけ交わって。それも豊かさ。

時間があるのも豊か。一日は二十四時間しかないと考えるか二十四時間もあると考えられるか。一日八時間寝ても勿体ないと思わなかったり、日がな一日海見て終わっても何も問題なかったり。

好きな人と過ごすのも豊か。恋人だったり家族だったり。あるいはペットだったり。そういう豊かさももちろんあるわな。

「豊かさ」って、その人の心の平安だ。「お金を稼ぐことばかりが豊かさじゃない」なんて言ってお金を稼ぐことが倫理的に否定的に見られたこともあったようだけど、じゃあ「僕はお金稼ぐのが好きなんです」って人に無理矢理農耕生活押し付けるのが豊かさかってと、そんなことはないわけで。

豊かであることって多分、自分が一番いい状態でいられる状況に自分を置けることのような気がする。だからそこには、世間一般的な考えなんて介入しようがないと思う。

最近僕は凄く楽しい。

台本を書くのがとても楽しい。来年2月にある公演の稽古をするのが楽しい。口癖は、「俺は面白いと思うんだけどなー」。世の中の脚本家さん、演出家さんは、「これって本当に面白いのかな?」と日々闘っているんだろう。尊敬します。

なんか、生きることに伴うことのすべてが愛おしい。文句もあるし不満もあるが、最近あまりそれに囚われることがなくなった。すぐ忘れちゃう。いいことだと思う。

今なら自分のことを、笑って受け入れられる気がする。「お前ってそういうとこあるよねー」って感じ。生まれた時からなんか知らんけど大抵隣にいる、よく分からん謎のよく知っている人、自分。

たくさんの文章を書く。最近サボり気味だし、本当に本気でやっている人には到底敵わないけど、たくさんの文章を書く。それがどこに出ることもなく、日の目も見ず、認められず、ただ僕の中でだけ終わったものだとしても、それらを作る上での行動全てが、自分の血肉となっていく。いつか別の形で生まれ変わるのかもしれない。

今僕が上演しようとしている作品の中にも、確実に生きている。そういった営みが、愛おしい。

上品な人が少なくなったなと最近よく思います。僕は、上品に生きたい。「お上品」ってことじゃなくね。市井の人間だから限界はあるよ?でもさ、品がないなと思ったらそれをしなかったり、ここは一歩引いとこうとか譲ってあげようとか、思った瞬間にそう出来るようにありたいな。

僕は上品な日本人が好きです。行動とか生き方とか。

上品な人は、自分のためになることも考えつつ、人のためになることも同じくらいよく考えている。一つことに捉われることのない、悠々した人。そういう人に憧れるし、なりたい。

豊かな人って上品だし、上品な人って多分豊かだ。そう思ったこの頃。

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