ファーファーファーファー、ファーラウェイ(1)


1.

大好き。
大好き。
あなたが大好き。

世界がどんなに信用できないくらいに堕落したって、この私の大好きがあれば大丈夫ってくらい、あなたが大好き。

私にこんな気持ちが訪れるなんて思わなかった。
この世の中の誰かと必ずペアを組みなさいと言われたら、絶対あなたと一緒がいい。あなたの隣に最初に辿り着いたのが私のどんなに大事な友達だって、押しのけてあなたの隣に行くわ。私はあなたが大好きだから。

私の恋が届かなくても、私は私を可哀相だとは思わない。だって私の大好きはとても尊いものだから。独りよがりじゃない。人をこんなにも思うことが出来るってことは、とてもとても尊いことよ。

それでもやっぱり、この私の大好きが、あなたに届いてくれればいいと思う。どうしようもなく汚い欲だと分かっていても、願ってしまう。

大好き。
大好き。
あなたが大好き。

あなたの手に触れたかった。
あの時機会はせっかく巡ってきたけど、それに縋るのは意地汚い気がして、私はあなたの手を避けた。

臆病だっただけなのかもしれない。
でもどうせ等しく後悔することになるなら、あなたの手を握ってずっと離さなければよかった。そうやっていっそ嫌われちゃえば良かった。

バカみたいね。

きっとこの先何十年生きてたくさんの人と出会っても、あなたを好きなこの気持ちくらい強い気持ちは訪れない。こんなに頭がおかしくなるくらい人を好きになることも、きっとない。あなたはきっと知らないだろうけど、あなたに出会えたおかげで私はたくさんのものをもらったのよ。あなたがここに生きているというだけで一人の人間を変えたのよ。それはとてもかけがえのないことだと思う。

今この瞬間、あなたのことを想っている私は、多分最強。

今日、桜の木の下にいるあなたを見た。
銀色の自転車を押して。
風がとてもきれい。
あなたが生きているこの世界がまるごと、愛しくて仕方がなかった。

大好き。
告げたい。
あなたが大好き。
遠ざかって行くあなたが愛しい。

大好き。
大好き。
あなたが大好き。

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