どうも、須貝です。
男ばかり五人兄弟の我が家には全く関係なかったせいで、いまいちお祭り感が湧いてこないひな祭りの、3月3日水曜日でございます。3月になりましたね。
最近うちの周りで取り壊される建物が多い。そしてすぐ建て直される。土地を売ったのか、単に家を建て替えるのかは分かりませんが、本当に多い。
うちのすぐ真裏の住宅は去年だったか今年の初めくらいに取り壊され、今はもう既に新しいコンクリートの基礎が出来始めている。二、三軒ほど隣、細い道路を隔てた角にあったお宅も取り壊され、今は空き地。
これは去年の話だけど、うちに最も近かったコンビニが潰れ、アパートになった。その少し先にある家も取り壊され、駐車場になるらしい。東中野の駅に向かう総武線沿いの道の、昔どっかの劇団の(シェイクスピアのカンパニー?)稽古場があった場所も取り壊され、東中野には不釣合いなフレンチレストランが出来た。その近くの何かのNPO法人の事務所だった建物も取り壊されている。
不動産も不況、で取っ払われる住宅たち、の反面、儲ける人は相変わらず儲けていて、更地にはすぐに買い手が付く(もちろん買い手を見つけてから更地にしているんだろうけど)。
どこか全て遠い世界で起こっているような気がするけど、そんなこととお構いなしにどんどん変わっていく街並み。多分僕が今住んでいる家も、僕と兄が出たら取り壊されるだろう。
壊されて何もなくなってみると、不思議とそこに何があったか思い出せなくて、新しいものが建ってしまえば、もうそこにはそれが前からそうやって建っていたような気さえする。人の髪型が変わるのに似ている。
で、うちの真裏に建っていたお家が壊された時の話なんですが、作業が9時くらいから始まるんですよ(もっと早かったかな?)。世間的にはそんな時間にまだ寝てる奴はいないだろうが、僕は寝ているんだ。だから瓦礫が突き崩される音で目が覚めるんだ。寝覚めが悪いったらない。
あちらも仕事だから騒音に関しては仕方がないと諦めたが、さらに我慢ならないことがあった。
作業をする人の中にどうやらあまり出来の良くない人がいるらしく、親方にいちいち叱られている。その親方もその若者(多分若いんだろう)をいびることでストレスを発散しているみたいに、ねちこい。カラッとした所が全くない。一挙手一投足叱る。
掘削機の音で目覚める分にはまだいいが、人の怒鳴り声で目覚めるのは正直言って耐えられない。腹に据えかねたから、うちの窓を開けてパジャマのままブロック塀を裸足で歩いて渡り、その親方らしき人物を捕まえて塀の上からその旨をはっきり伝えてやった。
六十絡みのその男の、卑屈そうににやけて謝る顔が印象的だった。心底、嫌になった。
これもまた先日、電車に乗っていたら、隣に三人組の小学生が座っていて、いや、立ったり座ったりとにかくせわしなく遊んでいたんだけど、まず隣の子供のランドセルが腕にガツガツ当たる。この時点で短気な僕は相当苛々していたんだが、とにかくうるさい。近くの乗客も明らかに迷惑している。
僕の正面のおばあさんは、「子供は元気だからねぇ、しょうがないねぇ」なんて顔で無理にほほえましいものを見ているような顔をしていたが、それとこれとは別である。うるさいものはうるさい。それが子供ならなおさら放って置いてはいかん。
耐えかねた僕は彼らの腕を握り、静かにしろとジェスチャーで示した。本当なら何発か殴って顔の形を変えてやりたかったが、それはさすがに人としてナシである。
子供らは深海から揚がってきた松尾貴史みたいなおっさんに怒られてしゅんとした。三人いたからお互い虚勢を張りたかったのかもしれず、またすぐに騒ぎ出したが、今度は席を立って隣の車両に逃げて行った。もっと怖い人に怒られなかったことを祈る。
「音が立つ」ということを生理的に嫌う節があって、鼻が詰まると自分の呼吸音に苛立ってくる。ドアを大きな音を立てて閉めるのも嫌いだし、足音もなるべく立てたくない。が、声はデカいのでよく怒られる。
また、一度何かに対して怒りを抱くと、それが何日も頭から離れない。必ず何か一言言ってやらなければ気が済まなくなる。「よくそんなに怒っていられるね」と言われたことがあるが、自分を誤魔化して無理に忘れるくらいなら、四六時中苛々している方がマシだ。
こういうのを、協調性がないと言う。