振り返れ、ここ最近!!(2)


どうも、須貝です。

随分久しぶりとなりますが、鳥取の思い出や思ったことを書こうかなと思います。リーディング公演のことも書かなきゃなんですが、とりあえず順を追っていかねばね。どんどん忘れてしまうからね。

まず一言で言うと、鳥取はいいとこだった。なんか田舎に帰ったような気がしました。僕らが公演を行った鳥の劇場があった所は、自分ちの辺りより田舎な場所だったけど、なんかああいう風景とか人柄の温かさとか、無条件に故郷感を増しますよね。劇場の方々も観に来てくれた皆さんも掛け値なしに演劇を愛していて、僕は自分が、将来的に、一体何のためにお芝居をやっていけばいいのかちょと分かったような気がしました。

役者を仕事としてやるからには、当然お金を得なきゃいけない。でも演劇、お芝居が出来ることは、もちろん僕にお金をもたらすことだけじゃない。もっと誰かの心を、豊かに出来るもんなわけで。結局僕は、自分も潤ってかつ誰かも潤っている状態を作り出したいし作り出さなきゃならんのだ、と思いました。

では、写真と共に振り返っていきたいと思います。


こちら、一見学校です。というか元々小学校だったんですが、こちらが鳥の劇場。なんかもう夏休みの学校の映画撮りたかったらここに来たらいいじゃん、ってくらい、もう原風景通りの小学校。素敵過ぎる。僕らが公演を行ったのはここから少し離れた所にある「しかの心」という劇場でした。外観は撮り忘れちゃったんですが(一番肝心だったな…)、内部は撮りましたよ。

古民家ですね。住みたい。板目、白壁、ガラガラ鳴る扉。もう隠居したい。

こちらはそのしかの心の近くにあったお堀(城下町だったらしい)に住む二羽の白鳥。コリアンガールのセミが名前を付けました。大きい方がセミ、小さい方がエイチャンだそうで。おい。

なんかね、別に東京の劇場も悪くないしってかいいところは凄くいいし、東京も嫌いじゃないんだけど、演劇をやる環境、というか、人が生きる環境ってのは大事で、東京やその他の都会、街でしか出来ない作品ってのもあるんだろうけど、この環境、山があって海があって味わい深い劇場があってそれを運営する人々の力があって、というこの環境で、いいものが出来ないわけがないような、そんな気がしたんですよね。

鳥の劇場のメインの劇場が体育館を作り変えたものなんですが、興味津々でたいたいとまーくんとなんとなく覗いていたら、劇場の方がたまたま通り掛って、「見てくかい?」と声を掛けて下さいました。ので、お言葉に甘えて見学。とても素敵な劇場でね、これが。間口と奥行きのバランスが凄くいい。天井の高さも申し分なく、何より客席の傾斜が丁度良くてとても観やすい。やる人と観る人両方のことを考えているんだろうなと思いました。「この劇場は俺が作ったんだよ」と語る劇場の方。誇りがあるんですね。

で、鳥の劇場というのは元々劇団の名前で、最終日にこのメインの劇場でお芝居を観ていたら、職員の方々がいっぱい出てた。劇場を案内してくれたおじさんも出てた。びっくりしました。なんか、幸せだなー。

きっとこの劇場を立ち上げる上で問題とか衝突とかいっぱいあったろうし、今だって充分に生活していけているわけではないらしいけど、僕はこの劇場は、成功していると思ったんです。なぜならお客さんが満足しているから。関わっている人たちが満足しているから。そしてちょこっとだけ通り縋った僕のような人間も、満足しているから。ならばそれは成功じゃないかと、思うんです。お金の話はもちろん大事。でも、先立って何が必要か履き違えなければ、細かい問題は全て後から何とでもなるような気がするんです。

「子育てなんて子供が産まれてしまえばどうとでもなるんだよ。お金もなかったし自信もなかったけど、やってみりゃ人間大抵大丈夫なんだよ」とは、昔父と母が言っていた言葉。なんかその言葉を凄く強く思い出したのでした。だからやっぱり、やりたいことをやるべき。

こちらは劇場に併設されたカフェで飲んだジンジャーエール。汗が心地良かった。テーブルには木彫りの鳥が。山形に山の劇場を作りたい。

トップの写真も鳥取の空です。これ完全にサマーウォーズですね。

Previously