想う。

どうも、須貝です。

16の時から約10年、お芝居をやってきて、
途中サボったり怒られたりやめようと思ったり就職しようと思ったり、
酷評されたり嫌われたり嫌ったりふざけんなと思ったり過ちを犯したり、
いつだってこの階段を降りる機会があったのに、
思い描いた将来がたくさん用意されていたのに、
そのどれも僕は選ばなかった。

今、ここにあって、寄り添う音楽があって
それに耳を澄まして
生きて
心が震えるほど足が竦むほどの瞬間があって、
そんな瞬間をもう一度と思ったり、
それを越えてやろうと思ったり、
越えられなかったり、
バランスを崩したり、
それでも僕を引っ張り上げてまた一つ上に連れて行ってくれる人がいたり、
自分で勝手に上に行けたり、
上に行けたと勘違いしていただけだったり、
それでもやっぱり最後には、
絶望も諦めも全て乗り越えてまたこの場所に帰って来る。

10年。

僕は今たとえこのままダメになってしまったとしても
この10年を誇りに思おう。
この10年を宝物にしよう。
人に自慢できたり評価されたりするものとはまた違って、
ごく個人的に、
この10年を抱こう。

自己満足でなく、
僕はちゃんと許されて舞台に立つ人間になりたい。
僕は僕がなりたいと思っていた人間から遠く離れてしまったかもしれない。
でも別にいいや。
今の俺からしたって、過去の俺は理想の過去じゃないからね。お互い様だぜ。
僕はまず僕自身に
舞台に立つことを許してあげたい。
胸を張って舞台に立たせてあげたい。

作品に向き合うたびに、
自分は空っぽじゃなかったとちゃんと、
分からせてもらえる。
僕が生きた年月が
ちゃんと有機的に生きていると思うんだけど、
どうでしょう。

ありがとうという言葉なら
いつだって誰にだって言えるぞ。
周りの人になら誰にだって、
ちゃんと言える。

あーあ、
やらなきゃやらなきゃ
ちゃんと形にしなきゃ。
これからこれから。
ここで終わるのはまだ、
もったいない。

そんな11月を想う夜、金曜日。おやすみなさい。

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