気が付けば。

どうも、須貝です。

7日に無事、七里ガ浜オールスターズ第五回公演、『俺の屍を越えていけ』を終えることが出来ました。ご来場下さった皆様、観には来れなかったけど応援して下さった方々、ありがとうございました。

一ヶ月にも満たない稽古期間、加えて個性的な面々で、本当にまとまるのかと不安になった時もありましたけど、なんとかなるもんですね。稽古後半は座組力の高まりを感じました。

今自分は、今後に関わることを色々と悩んでいる時期なので、その時期にこういう現場に巡り合えたことも幸福だったかなと思います。「そういう時期もあったよ」と英次さんに言ってもらえて楽になったことがたくさんありました。俳優の先輩として学ぶべきことが多かったです。のぐっさんとも久々に一緒にやれて楽しかった。まぁ単にこの愉快なおじさん二人組と遊べたのも楽しかったですね。本番40分前に腹抱えて笑ってましたからね。

みゆきさんとは意外と実は2回目の共演だったり、前回は自分が演出という立場だったため、役者として集中して絡めなかった千鶴さんともう一回共演出来たり、名前が同じということで微妙な親近感を長年抱いていた葛木さんとも初めて共演出来たり。脚本が脚本だけに、さらにセットも簡略だったために、「役者しか観るものがない」と英次さんが言った通りの芝居に、ちゃんとなれたんじゃないかなぁと、思っています。

一ヶ月に満たない稽古期間で少人数で短時間の作品を仕上げ、ちゃんと黒字を出す、というスタイルが、凄くいいなと思いました。今ももちろん多いけど、今後、小さい優れた作品、低料金で、お芝居を初めて観る人にも敷居が低い作品が東京の各所で観られるようになったら、もっとお芝居が身近になるんじゃないだろうかと思いました。

もうなんか段々、ちゃんとした劇場で行う公演の意義が、分からなくなってきちゃったってのが僕にはあります。いや、今回公演を行った雑遊は立派な劇場なんですけど、最近はギャラリー公演も増えているじゃないですか。箱庭が劇場で公演するのは個人的にはとてもしっくりいっているのだけど(そりゃあ僕がいる団体なんだから当たり前だけど)、今は(昔からだけど)作品が多過ぎて、もう、何が大事なのかさっぱり分からなくなっちゃった。公演数も劇団数もどんどん増えていっているけど、観る人の数が結局あまり増えていないから毎週毎週お客さんの取り合いになっちゃって誰も得してなくて。虚しいしバカらしい。それぞれのやっていることがどれだけ素晴らしくても、観てもらえなかったら意味がないし、自分も出演していると素晴らしいものを観に行けないし。

で、今の回転数で公演を観に行くにはチケットの料金が高過ぎる。毎週3,000円のお芝居を3本観たら、それでもうひと月36,000円。3,000円ならまだいいけど、普通もっとしますからね、観たいやつは。6,000円とか9,000円とか。その規模だとひと月一本が僕には限界。元から映画の方が好きだけど、そんなんだったら、って思ってDVD借りちゃう。

もうなんか、色々な需要と供給のバランスがおかしくって、最近凄く本能的に気持ち悪いんですよね。不健全な感じするんですよ。それは作品の質が云々の話じゃなくて環境の話で。

さらに言えば東京で公演を行うことの意義も考えてしまったり。今の自分にとっては、地方や海外での公演の方がずっと魅力的に映ります。1年に6本東京で公演を行うより、地方で2本やる方が楽しいんじゃないかなとか、もう引越しとか細かいこと言うのやめて、なんなら海外に行っちゃおうかなとか、考えています。今は夢物語なんだけど。

あくまで個人のために、自分がより良く演劇をするために一番手っ取り早いのは日本を変えることだ、と思っている自分と、そんな日本は見限って演劇の豊かな国に行っちゃえばいいじゃないかと思っている自分がいます。どちらもバランスよく実現できないものかな。

途中から全然違う話になっちゃったけど、色々なものと色々なものの関係とか、色々なものと自分との関係とかのことを考えて、ちゃんと実行に移さにゃいかん時期なのかなーと、漠然と思ってます。頭悪いから漠然とね。

あ、気が付けばもうちょいで26歳ですわ。上京して来た頃は自分が26歳になるなんて思ってもみなかったな。

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