人、と人、と人。

どうも、須貝です。

ラウンド1?スポッチャ?に行ってとにかく体動かしまくって、ほんとそもそも運動神経が違う人には太刀打ちできん、などと痛感した今日この頃です。しかし運動は楽しいな。初めてテニスしました。意外と出来た。今度うちの両親とやってみたい。でももうあの人たちは動けないかもしれない…怪我しない程度に。

僕が身を置いている世界は、特に、なのかもしれませんが、人と人が繋がっていくことで仕事が成り立っていく所です。一つの公演での繋がり、お客様との繋がり、役者仲間との繋がりやお仕事を下さる人々との繋がり。放射線状に繋がっていって、まさか結び付くと思わなかった所で結び付いたり、全然知らなかったけど随分昔から繋がっていたり。本当にその人間関係だけで面白いなぁとよく思います。劇団の成り立ちの話なんか、どの劇団のお話を聞いても面白いと僕は思います。

繋がりが増えていくと自然、今まで知らなかった人たちとお知り合いになる機会が増え、それもまた楽しい。名前は知っていたけど初めてお会いする人とか、全く知らなかったけど僕の知り合いのあの人とは凄く仲のいい人とか。そうやって初めてお会いする人たちが増えて思うことは、やはり僕自身がその人たちと会わなければ、話さなければ、その人に対する感想は抱きようがないなということ。

例えば、僕が好きな、というか兄のように思っている人があまり好感情を抱いていない方にお会いしたけど、僕は全然好印象でむしろ好きな人だなこの人、と思ったり。
例え自分が好きな人の評価だとしても、自分が会って実際に判断してみない限り、その人のことは測りようがない。逆もまた然りで、自分が好きな人が好きな人でも、僕はどうしても好きになれないということもあります。
自分が嫌いな人の周囲の人にもなんとなく距離を置いてしまうことがありますが、どちらにしろ、自分で判断しなければならないのだなぁと、思います。

人に対する評価同様、自分が演劇的に絶対の信頼を置いている人と、一つの作品の評価が別れることもありますから。箱庭の人たちとも大方意見は一致するんですけど、時々意見が割れることがあります。好みもありますけどね。前回の箱庭の稽古後の呑みでもそんな話になって、出演者のひろさんが、自分が凄く信頼している人が「物凄く面白い!!」と言っていた舞台を観に行ったら物凄くつまらなくてどうしていいか分からなくなった、とおっしゃってました。よくありますね。

一人の人に対して抱く感想も、一つの作品に対して抱く感想も、固執すべきではないかもしれないけど、しっかり「自分」を持った上で、他人に判断を任さずに判断したい。そうでないといつか大切な瞬間が来た時に間違った判断を下しそうで怖い。

さらに言えば自分が出演する時に、他の人に何と言われようと自分が正しいと思う方向性でお芝居に向き合うことも、多分大事。稽古などで制作途中ならばいくらでも意見は取り入れるべきだと思うし、そういう様々な意見の取捨選択、吟味、検証の時間が稽古だと思っているけど、本番に入ってしまったら、誰に何と言われようが、酷評されようが、自分がやってきたことを決して捨てない。

それは過去に失敗例があるからそう思うんですが、心意気と意地の問題もあります。座組の一員でもなく僕らがどんな稽古を積んできたかも知らない人の意見一つで簡単に捨てられるような軽いことをやってきたと思いたくないし、逆に言えば本番を一回観た人の意見一つで簡単に引っくり返るような軽いものを作らない。そういう覚悟を持って作品は作るべき。絶対に揺るがない準備を、幕が開く前にしておかなければいけないのです。

結局そういう覚悟の出来た作品は、過去の経験上、好みなどはあれど絶対に高い評価を得てきていると思います。

だから僕は本番中にお客さんに決して感想を求めないし、アンケートも決して読まないし、もし意見を言われても、芝居の方向性が変わらない程度の助言、かつ自分が納得した意見は取り入れますが、作品に支障が来たされる可能性のある意見は無視します。ぶっちゃけ、それら一つ一つを気にしていたらキリがないんですよ。

同じ理由で、お芝居を観に行った時も、マイナスの感想は決して言わないし(例え死ぬほどつまらなくて、それを役者本人たちが自覚していても)、意見を求められなければ絶対に意見を言わないし(求めてもいないのに偉そうに意見する大人が多いですから。そういうのはその人たちに任せます)、もし求められても彼らが作ってきている方向性を否定するようなことは絶対にしません。だって意味がないから。僕が批評家なら話は別かもしれませんが。演劇の世界という大きなコミュニティのことを考えたら、みんながみんな面白いことをやっているのが一番いいに決まってるんですから、役者がノリノリでやれるよう僕も手助けすべきで。酷評や反省は本番後でいいんです。もしくは本番中の本人に言う必要はないのです。

本番中に作品が良くなっていくよう手助けをしている、というつもりの人もいるでしょうし、事実それも一理あるんですけど、僕は有機的にうまくいっている作品は勝手に彼ら自身で上っていくと思うんですよね。あくまで僕個人の意見ですけど、いち観客である僕は、そこに雑音を混ぜたくないんです。

あくまでこれら全部僕個人の意見なんですけど。

誰が好きだろうが何が好きだろうがその人自身を本当に好きだったら別に関係ない。それらが共有できた方が素敵なんだろうけど。というかそういう人たちとは自然と好みが似通ってくるんだけど。

自分の友達に一人くらい自分と全く好みが違う人がいた方が、僕は人間関係的に絶対に面白いと思うんですけどね。

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