気がつけば二月

更新も滞ったまま気づけば二月を迎えてしまいました。反省。

今、来週の10日(金)~12日(日)にある公演の音響をやっておりまして、もし暇がある方は観にいらしてください。早稲田でやってます。僕はチラシも作ったんですが、そっちはわりといい出来なんじゃないかと自負してます。あくまで自負です。

さて、最近自分に起こった一番の変化といえばやはり、「涙もろくなった」ことでしょう。よく男の人なんかだと歳を取ると涙もろくなるなんて言いますが、まだ歳を取るというほど年齢を重ねてるわけではないんですが…

元々、映画とかお芝居とか観ても、感動はしても涙は流さない方なんです。よくある感動モノなんかは逆に冷静になっちゃう方で(そういう方多いと思いますが)、自分でもそういうとこ嫌だなと思ってたんですが、最近はそうでもなくなりました。やはりなまじ自分が作品を制作する立場に立った経験があるとそうなりがちなんですが、やはり作品は作品で観客として味わいたいんですよね、ほんとは。今まで泣いた作品は本当に少ないです。

覚えてる限り昔だと「ライム・ライト」なんかは泣きましたね。最後のシーンで意図せず涙がこぼれてしまいました。この「ライム・ライト」というのは石灰光のことで、昔の舞台で使われていたんですよね。確か今でもフットライト(役者の足元の照明)のことをイギリスではライムライトと呼ぶとかそんな話を聞いたことがあるような気がしますが、定かではありません。しかしこの「ライムライト」には「注目の的」なんて意味がありまして、その点、日本で言うところの「脚光を浴びる」なんてのと意味的に似てきますね。そう聞くとなんだかまた一段とこの作品の深さのようなものを感じてしまいます。

「ビッグ・フィッシュ」も泣きましたね。映画館で朝早い回を観たんですが、もう涙がボロボロ止まらなくなっちゃって、十一時頃に映画館を出た後は一日何もできませんでした。「屋根の上のヴァイオリン弾き」とかも泣きました。あれはいい映画ですね。底抜けに明るいようでやり場のない悲しみがある作品です。

お芝居で泣いたことはあまりないと思います。二年前くらいに東京ねじの「東京ねじれ」という旗揚げ公演で泣きそうになりましたね。最近ではタカハ劇団のこれもまた旗揚げ公演、「僕はテクノカットよりコネチカット」で不覚にもちょっと泣きそうになりました。あ、たかはさんお金返してください。

あまりうまく言えないんですけど、お芝居ってどんなにいい話でもなぜか泣けないんですよね。世間にはもちろんいい作品がたくさんあって、わりとそれを観ていない訳ではないんですが、お芝居になるとなんか泣けない。

別にそれがいい作品の基準だなんて口が裂けても言いませんが。だって「セカチュー」とか嫌いですもん(でも長澤まさみさんと森山未来兄貴は好き。兄貴の演技は魂がこもってます)。「タイタニック」とかデブ女の遠心力でレオ様がクルクル振り回されるシーンと(勘違い)、レオ様とデブ女のカーセックスのシーンと、レオ様が沈んでいく爆笑シーンしか覚えてないですもん。(最初のほうのシーンでレオ様がカードの賭けに勝ってタイタニックの搭乗券を手に入れるシーンとかよくモノマネします。似てません)

ところがところが、一ヶ月ほど前に風邪で寝込んでいた時、お昼の再放送で「鉄道員」が放送されておりまして。一度観たことはあって、その時は普通に観てたんですが、なぜか二回目に観たときは布団の中で涙をボロボロ流しながら観てました。風邪で精神的に弱くなっていたからでしょうか。(ちなみに原作、浅田次郎の短編集「鉄道員」の中の「ラブ・レター」という一篇が大好きです。泣きました)

しかしそれ以外にもなんか最近涙もろいんですよね。散々言っておきながら、たぶん皆さんは興味ないでしょうが。テレビドラマ観て泣きそうになったり(しかも毎週観ている訳ではない)、本や映画なんかでも今までは泣かなかったであろう所で泣いたり…マンガ読んでも泣きます。友人に薦められて読んだ、岩明均の「寄生獣」も泣きました(今連載している「ヒストリエ」も面白いです)。「ミギー!!」とか思いました。「シュート!」もなぜか全巻買いました。掛川イレブンの久保さんの死の引きずりっぷりに涙しました。

読み返して泣いたりもします。松本大洋の「ピンポン」とか。「今日から俺は!」とかもなぜか泣きました。最近では「ジョジョ」の第三部で花京院が死ぬシーンで泣きそうになりました。

これってなんか精神的に弱ってるってことなんでしょうか?別にそれ以外は変わらないんですけど…あまり気張らずに作品に触れていると考えていいのかな?まぁプラスに取ると。マイナスに取るとこだわりがなくなったのかもしれません。どっちにしろ、お涙頂戴的な日本の映画は、やはり好きじゃないようです。

~つづく~

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