光。

どうも、須貝です。

以前ある人と呑んでいて、「あなたを私の希望にする」といった意味のことを言われました。演劇の世界における、みたいな意味合いかな。
嬉しかった、のは嬉しくて、嬉しかったんだけど、心の中では「違う、そうじゃない、そんなことない、違う違う、違う」と思っていました。
と、言うのは、僕はその人の存在を、僕の心に灯す光にしていたからです。そうしていた当人にそう言われたので、何か、違うと、否定したくなったのでしょうね。例えその意味合いが僕のとは違ったとしても、どこか心の奥の方で、否定したかったんでしょう。勝手にね。

その人の存在を希望の光とする。その人が生きていてくれるだけで、幸せであってくれればなお良いけど、例え悩みや苦しみや絶望を抱えていたとしても、いてくれるだけでいいと思うことがあって、自分の幸せよりもその人の幸せをより強く願うんです。その人のことを祈ることが、僕の命に強さを与える、僕の生きる価値に色を添える、そんな感覚で、そういった心に灯す光だけは、なくしたくないと思っています。

こういう感情は十代の頃にはありませんでした。当時は、今でもそうかもしれないけど、僕にとって僕の人生は僕のものでしかありませんでした。だからこそ持ち得た強さというものがあった気がします。だから僕は十代の時よりも弱くなったし迷うようになったし悩むようになったんだけど、この感情のおかげで出来た心の幅や奥行きは、それを知らなければそれこそ不幸だと思うような、尊いものだと思っています。

この光のことを思う時、それが祈りで、思わず手を合わせたくなるような、涙が出てしまうような気持ちになります。人間として、人間であるために、この光だけは心から、失いたくないと思います。逆に言えば、もし僕の心の中にこの光が灯り続けるのであれば、僕はずっと大丈夫なのだろうと思います。

誰にでも誰か1人こういう人がいるんじゃないかなと思うんだけど、どうですかね。自分の気持ちは知ってもらえなくてもいいのです。伝わらなくてもいいのです。だって僕が勝手に思っているだけだからね。

光。

口にすると不思議な気持ちになります。それだけで心に輝きが差すような気がします。その人のことを思います。

光。

どうかこの世界にそれが満ちるようにと、偽善ではないかと不安に思いながら、願っています。

光。

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