誰かの努力。

どうも、須貝です。

お芝居を観に行くと大抵、アンケートのようなものが当日に渡されるパンフレットに挟み込まれていたりしますが、僕は絶対に書きません。知り合いが出演している舞台などでその人に感想を求められるのもあまり好きではないし、僕の舞台を観に来てくれた方に感想を尋ねることも出来ればしたくありません。出来れば観劇後は誰にも会わずにすぐ帰りたいし、自分の出演後もサッと帰って次の日に備えたい。

感想を言う、書くとういことは僕の仕事じゃないし、僕は自分がその方面で努力している人間なので、ちょっと軽々には、その人の努力に意見したりケチつけたり訂正したりすることに尻込みしてしまう、なんというか気が引ける、よければただよいと思うからそれだけ伝えるし、悪いと思っても、なんとなく言い難く誤魔化してしまう。いいことか悪いことかで言えば意見を言わないということはあまりいいことだとは思いませんが、やりたくないことを無理にやっても仕方がないのでやはり言いません。

monophonic orchestraも本当はアンケートを取りたくなくて、1stは確か取ったと思うのですが、今回は取っていません。僕はそもそも役者でやっている時は本番中はアンケートを決して読まないようにしているので、主宰でも同じく、影響に弱いので怖くてやりません。これは弱さです。が、克服する気は今は起きません。

観にくい、聞き難い、身体的に辛い、というご意見はもちろん取り入れて改善します。それが客商売の基本だと思うのでそれは当然やりますが、それが作品に関わることになってきた時に、どうしても、簡単に意見を取り入れられない自分がいるので、やはり出来ないことは出来ないなと思います。多少の意見で揺るがぬ作品を作り上げなければならないという責任の元に作品を提示するのであれば、逆に変えてはいけないことも、あるでしょう。

今回も前回と同じく、初日を迎える前はちゃんと眠れなくて、僕の作品を否定されるのが怖くて、それはもうこの世にいなくてもいいと言われることと同じなので、まだ生きていたい僕は、なんとか必死にこの世界に縋りついていたいと思い、そう思っていると自分可愛さに自分の作品を自分の作品だからという理由で許してしまいそうになるのですが、それでは本末顛倒で、だから僕は、そうやって自分を温く生かすよりは潔く死ぬ道を選びたいなと思い(いや死にませんけど)、どうすればいつまでも自分に厳しくい続けられるのだろうと、情けない気持ちでいっぱいになります。

そうやって考えた時に、今回の作品たちは心から、観て頂きたい。今の僕のベストです。これ以上はどこをどう切り取っても出来ません。だからこれが今の僕のベストです。そういう意味では僕は一端の命を懸けていると思います。

こういう道を選んだからには、やはり逃げずに、そういう覚悟を持たねばならないのだと、最近よく思います。

勝ちたい。勝ちたい。心から勝ちたい。

Previously