二人の画家.2


どうも、続いて須貝です。

好きな画家、一人目はベルト・モリゾです。彼女は印象派に属する画家で、僕は全く知らなかったのですが、大学の授業で彼女の絵を見て、とても好きになりました(うちの大学にモリゾの研究をしている先生がいるんですね)。もしかしたら前にもここで書いたかもしれませんが、彼女とマネの物語も、謎に満ちていて面白いですね。

彼女はよくエドゥアール・マネのモデルとして登場して来ます。マネと恋愛関係にあったとも言われています。結局モリゾは弟のウジェーヌ・マネと結婚していますが、このウジェーヌの彼女の画業に対する理解がなければ、画家としての彼女はもっと違っていたかもしれません。

マネはよく印象派としてくくられますが、彼の画風や、サロン入選を第一とし、印象派展にも一度も出品しなかったことなどを考えても、それにはちょっと疑問が残ります。

まぁ別にどう分けようが絵の見え方に変わりはありませんが、モリゾの方は生粋の印象派画家。マネに印象派の描き方を教えていたという話もあるそうで、印象派展にもほとんど出品しています。

彼女はよく、家族の絵を描いています。娘や夫、姉や乳母。その絵がとても温かくて緑に溢れていて、好きです。自画像も力強くて好き。全く着飾らず、画家としての自分をありのままに描く。男気たっぷりです。

溢れるような色彩、それでいてどこか寂しげなものを感じさせます。

好きな画家の二人目は、マーガレット・キルガレンです。

一番有名なのはトミー・ゲレロのアルバムのジャケットでしょうか。彼女はずっと時代が下って現代の画家です。現在ワタリウム美術館で個展が開かれているバリー・マッギーの奥さんだった人ですが、2001年に三十四歳の若さでこの世を去ってしまいました。癌でした。

彼女の存在は、大好きな雑誌、「relax」で知りました。どこか不思議な絵、虚脱感というか、それを越えて空しさとか悲しさを感じさせるんですが、どこか温かい絵です。

彼女の死を知った時、僕はまだ十六歳のガキで、彼女のことや作品も良く分かりませんでしたが、それでも、何か大きな可能性や将来のようなものが奪われてしまった気がして、とても悲しい気持ちになりました。

オレンジや黄色や赤など、暖色を織り込んだ絵がとても素敵です。

現代のアーティストと言えば、ケイト・ギブも好きです。彼女はカッコええシルクスクリーン作家ですが、ケミカル・ブラザーズの『surrender』のジャケットを手掛けた人です。

彼女たちの作品が好きなのはなぜなんだろうと思った時に、どこか乾いた現実の空気感といったものを含みながらも、それをまたさらに暖かな色彩やタッチや線が包んでいるように感じさせる所が、とても素敵なんだと思いました。心が震えます。

そういった要素が、女性的なものから来るのか彼女たち自身の才能から来ているものなのかはよく分かりません。ただ、ベルトもマーガレットも母親であったということが、彼女たちの絵に非常に大きな影響を与えていたのではないかと、僕は勝手に思っています。

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