7月4日に生まれて~くたばれ、インディペンデンス・デイ~

かの有名な三流映画、インディペンデンス・デイのラストで、腑抜けの大統領が、
「今日が世界の独立記念日(インディペンデンス・デイ)だ!!」
とか言ってましたが、アメリカのアホさを露見した映画でしたね。
そう、今日7月4日は、アメリカの独立記念日。愛国心の強いアメリカ国民にとって、日本の建国記念日とは違い、独立記念日は特別な意味を持っているのでしょう。

アメリカの映画とか音楽とかアートとか、好きなものは好きだし、一番多く触れていると思うのですが、アメリカの自愛精神というか、曲がった正義とかがどうも好きになれないんですよね。要は「世界警察アメリカ」、「アメリカ=正義」っていう姿勢を前面に押し出しているのが気に食わないというか。何言ったって武力で各国を押さえつけてることに変わりはないわけだし、そんなもののどこが正義なのか、ジョージに聞いてみたいものです。

アフガニスタンへの攻撃だって、犯罪行為(アルカイダによる9・11のテロ)に対する国家の報復行動は国際法で禁止されているはずなのに、国連も結局抑止することはできず、アメリカが自分の都合で止めるまで、攻撃は終わらなかった。アメリカって法治国家のくせに、自国以外の法律は破っても構わないと思っているのだろうか?

ハリウッド映画を多く見渡してみると、こういう思想って意外と多く見られます。ロシアや中東、または出身の人々は、たいてい悪役。昨今では黒人の活躍も目覚しいが昔はもちろん悪役は黒人だった。またさらにさかのぼり、映画創世期の西部劇では、インディアンが悪役だった。なんだ、やっていることは大して変わらないじゃないか。アメリカは常に自国に対する“敵”を作り続けることで、自国の正義をより確かなものとして国民に植え付けているのである。インディペンデンス・デイではそれが宇宙人になっただけで、世界の平和はアメリカが守ってあげているのだ、そしてそれは正しい戦いなのだ、とでも言わんばかりです。ほんと、虫唾が走りますわ。自国を悪者として描く映画がヒットするわけはないんですけど(ていうか悪者として描かれている人たちの身にもなってみろよ)、それにしたって…アメリカは今でもプロパガンダ映画を作り続けているのである。

そうした中で、「7月4日に生まれて」が評価できるのは、そういった「アメリカの正義」を信じて戦った青年が直面した現実、挫折から立ち直る姿を真正面から捉えたところであると思います。ベトナム戦争に参加したが、そこで直面する戦争の残酷さ、傷痍軍人として帰国し、大きな障害を持って暮らす毎日。青年期の怒りが忠実に描かれています(家族の誇りであったはずの彼が、戦後はハレモノに触れるように扱われています)。思想的な偏りや、物語的な批判はあるにしても、そういった内容の映画で、タイトルに「7月4日」を冠したことは、非常に勇気があると個人的には思います。

同じ人間であるからには、そうそう違うはずはないという柔軟な考えが、本当はもっとあるはずなのに、って時々思います。甘い考えかもしれません。北朝鮮にしたって、確かに危険な国家ではあると思います(厄介なのは、国を挙げて思想統制、教育を行っていることだと思う)。でも脱北者が多いのも事実だし。実際にあの国の現状を引き起こしている原因を、もっと正確に知ることって重要だと思う。アメリカみたいに、自分のよく知らない人、自分の不利益になる人=悪、みたいな考えはどうかと思います。

関係ないんですが、日本のアメリカ万歳みたいなところって、どうにかならないんですかね?まず、「日本アカデミー賞」っていうネーミング、絶対にやめたほうがいいと思う。だってダサいじゃないですか。「メンズノンノ」と同じ発想でしょ?「黒澤賞」とかにすればいいのに。あと、アメリカ軍には、とっとと日本から出て行ってほしい。戦国に行ってる場合じゃないですよ、自衛隊!

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