どうも、須貝です。
本番期間中というのはテンションも手伝って毎日ハッピーに暮らせるもので、嫌なことも笑って見過ごせるんですが、普段は別です。
嫌なことはやっぱり嫌だし、イライラもするし、殺意も覚えます。
そんな中で一番嫌なのは、自分と同じことや同じようなことをやっている方で、「お前のそれは何なんだ?」と聞かずにはいられないほど、適当ぶっこいている人を見る時です。
別に僕は演劇界において全く偉くありませんが、何というか、自分がやっていることに唾を吐きかけられている気持ちになります。
演劇やら芸術的なものには点の付けようがないから、勝ち負けがないと思っている方もいるようですが、大きな勘違いです。
演劇ほどはっきりと勝敗が付き、しかもその結果が残酷なものはありません。
なんてことを言っておりますが、僕が役者をやる上での勝ち負けの話をしたいと思います。
○「好みの違いだから…」などとお茶を濁さずに、はっきりくっきり勝利したい!!
・お客さんが腕組みを解いたら勝ち
…これはよく言われる話ですね。開始5分は腕組みで仏頂面しているおじさんも、終演後に握手を求めてくるなんてことが時たまあるものです。
出演者の家族でもなんでもない普通のおじさんが満足してくれたら、それはそれで一つの武器ですし、逆にめちゃめちゃ怒らせたとしても、それはそれで武器な気がします。
・静かなシーンで、客席から物音がしたら負け
…椅子の軋む音や、パンフレットの紙がカサリと鳴る音でも、例え生理現象として仕方がない咳などでも、とにかく物音がしたら負けです。
いいシーン、静かなシーンで一人喋っている時に、ほんの十数秒でも、お客さんの動きを止められなかったら負けです。そんないいシーンをもらっておきながら、ですよ。
キーパーのいないゴールにシュート打って外すようなもんです。
・終演後、お客さんを一人残らず黙って帰宅させたら勝ち
…これはあくまで僕の理想なんですが、一人で来ていようが誰と来ていようが、一言も喋らずに真っ直ぐ帰宅させたら勝ちです。
「どうする?ご飯食べ行こうか?」
「いや、帰る…」
これも理想。出演者にも会わず、もちろん飲みに行く元気もありません。
一言も話せないくらい、アンケートなんか書けないくらい、圧倒的に負かしたいんですよね、お客さんを。
余談ですが、映画などを観終わった直後に、カップルなどで来ている人たちの感想を聞くのが一番嫌いです。何を思っていたとしても、劇場を出るまで何も話して欲しくありません。黙って帰れですよ。
いい作品を観れば観るほど、一人で黙って浸っていたいんですよ、僕は(勝手)。
・「面白かった」以外の感想が出て来なかったら勝ち
…これも上に近いんですが。
あまりにもひどくて、もう面白いとしか嘘もつけないということではなく、「もうよく分かんないけど、とにかく凄かった」と言わせたら勝ちです。
・いくら自分が良かったと思っても、お客さんが満足していなかったら負け
…これ、皆さんは「当たり前だろうが」とお思いでしょうが、作り手の中には、「これが理解出来ないなら客が悪いんだ」と平気で言う人もいます。
演劇なんて、お客さんがいなかったら時間とお金と生命の無駄でしかないんですよ。二時間のお芝居でお客さんに満足してもらえなかったら、少なくともその二時間、それをやっている人間の価値はゼロか、マイナスなんですよ。
普段は誤魔化しつつ保っている自分の存在理由が、はっきりとゼロになるって、怖くないですか?
その時間内なら、死んでも誰も困らないって状態なんですよ。むしろ死んでくれた方がありがたいって状態かもしれません。だから絶対につまらんことはしたくないです。
・お客さんが自分と同じリズムで呼吸していたら勝ち
…「何だ、この感じは?」と思って冷静になってみると、自分とお客さんの呼吸がピッタリ合っていることがあります。
ゾクゾクしますよね。
・十年後も覚えられていたら勝ち
…「その作品が何年人々の記憶に残るか?」というのは、ライブである演劇において一つの評価の基準だと思います。
三分後には忘れられているかもしれないし、死の間際まで忘れられない瞬間も作り得るのです。多分。
あくまで僕の基準の話だから、反論もいっぱいあるでしょう。でも、多分人それぞれに基準は持っているはずです。
許せないのは、基準も持たずに結果も求めずに、のんべんだらりと垂れ流されることです。
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自分も観に行って大感動!
正直、そこまで期待していなかっただけにw
うれしい誤算でした。
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右に同じです!
もう一回観に行きたいくらいです。
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とてもわかりますその基準!
一般人ですが。
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どんな仕事にも共通する所がある気がします。
普通の仕事で闘っている人の方が、お芝居やってる人よりも熱いのに気付いて、びっくりする時があります。