夏目さんに一言。


どうも、須貝です。

最近プライベートでいいことが全然なくて、むしろ嫌なことやうまくいかないことばかりなせいで、ストレスに負けそうだ。怒りに支配されそうだ。そういう時の自分が、本当に嫌いだ。

稽古場を何とかせにゃーとかお金がーとか宣伝しなきゃーとか考えていると、元々キャパも狭いし頭も悪いからすぐ煮詰まる。

そうすっとすぐ自棄になったり投げ出したり誤魔化したり虚勢張ってみたり「自分頑張ってますよ、大変なんですよ」をアピールしてみたりしていたもんだが、かと言って今そうなっているかと言われてみればそんなことは全然ない。

成長したのだろうかと思ったけど多分そうじゃなくて、色々なことへの認識が変わったんだろう。根っこの方の自分は相変わらずの自分で、それを稽古場でもはっきりと自覚する。

成長しているわけではない。捉え方が変わったのと、周りにいてくれる人やその人数が変わったのだろう。と思う。

僕は、僕が本当にダメだった時期の自分への罪の意識が強過ぎて、そのイメージを大きくし過ぎていて、それに未だに引き摺られていることがよくある気がする。

一つ一つ今の自分を当時の自分と比較してみても、もうあの頃とは結構違うと分かっているんだが、どうもうまくいかないもんです。

最近よく考えるせいかよく食べる。

稽古場でもよくチョコを食べている。どんどんお腹が空く。一日四食食べることもある。

食費が嵩むけど、母からもらったものや伯父、伯母にもらった餅やりんごを食べているから、そんなにバカみたいにお金を使ってはいない。ありがたい。

それでもどんどんお腹が空く。眠ることと食べることが心から大好きだ。

今日仕事場で久しぶりに旧千円札を見た。なんか変な色のお札が混じってんなと思ったら夏目さんだった。色がちょっと薄かったんだね。野口さんに比べてちょっと安っぽい感じがする。

夏目漱石という人もおそらく、食べることが好きだった人なのだろう。なぜなら食べる描写がとても生き生きとしているからだ。

僕は『坊ちゃん』があまり好きじゃないけど、坊ちゃんが蕎麦を食う所などはとてもいい。

ロンドンに留学したけど食べ物が不味くて、日記にはあれが食べたいこれが食べたいとそんなことばかり書いていた夏目先生。

でも胃腸が弱くて、食べたい物が思うように食べられなかった夏目先生。

僕も胃腸が弱いから、密かにシンパシーを感じている。

そんな夏目さんが、2010年になってもまだ踏ん張っていた。

仕事場で見つけた千円はどうせ銀行に持って行かれて両替されちゃうんだけど、いつまでも、せめて来年くらいまでは世間の片隅で踏ん張っていて欲しい。そして誰かの胃を満たす千円さんであって欲しい。

もし皆さんが夏目さんがひっそり笑っている旧千円札に巡り会ったら、その千円でちょっといい天麩羅蕎麦を食べることをおススメする。

お腹繋がりで、この間中野ポケットに箱庭円舞曲の第十四楽章のチラシを置きに行ったら、ノロウィルスで苦しんでいたらしい、こゆび侍の佐藤みゆきさんが元気そうにしてて安心した。いっぱい食べて、いっぱい歌うがいいさ。

そしてそんなみゆきさんが出演する黒色綺譚カナリア派の公演の初日が今日でした。センチメンタリに掛かりっきりの僕は観に行けるか分からないが、主宰の赤澤ムックさんが箱庭の次回公演に出演してくださるのです。楽しみだ。

皆さん、是非観に行って!観に行きてー!

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